語学系の企画出版と学習塾を経営して20年になりますが、15年ほど前に米国ジョンズホプキンス大学に勤務する四肢麻痺の医師の自伝翻訳に携わったことをきっかけにして、福祉分野に興味を持つようになり、社会福祉士の国家資格を取得して転職しようと思いました。
社会福祉士と保育士の国家資格を取得後、未来ある子どもたちのために何かできないかと一念発起して障害児福祉の道へ転職することにしました。
転職後の現在は、社会福祉士として、横浜市に児童発達支援と放課後等デイサービスの事業所を運営しており、発達障害や知的障害及び身体障害等のハンディを持つ、2歳半から小学校3年生までのお子さんたちをお預かりしています。
利用者には近年増加傾向にある発達障害のお子さんが多く、彼らは得意なことと苦手なことの偏りが大きく、それが個性でありとても魅力的なのですが、集団生活では皆と同じことをすることが良いと言われてしまうため、素晴らしい個性がむしろ生きづらさにつながってしまいます。
私ども社会福祉士は、将来お子さんたちが学校や社会で困ることがないように、保育や教育とも違う「療育」という支援をしています。しかし、児童発達支援・放課後等デイサービスという障害福祉サービスは、誕生してまだ十数年と歴史が浅いうえに、医学や心理学等の専門的な資格を持つ療育者が現場に少ないため、療育者の質によって効果にばらつきがあることを社会福祉士として痛感していました。
療育のほかに、安全で均等な施術を提供でき、かつ即効性がある療法はないだろうかと模索したところ、鍼灸師に辿り着きました。また、副作用が一切ない東洋医学の鍼灸師が行う小児鍼に、とても興味を持ちました。そこで、転職というよりも、社会福祉士と鍼灸師の両方を取り入れていきたいと思い、鍼灸師を目指すことにしました。
将来的には、鍼灸師が行う小児鍼を通して、お子さんたちの健やかな成長を支援していきたいと考えています。