私は鍼灸師に転職する前は、生命保険事務の仕事をしていました。生命保険事務では、営業職員の出張手配、会計業務、会議資料作成及びイベントや行事の準備等の仕事を担当していました。
複数の業務を並行し作業を進める事は大変でしたが、パソコンスキルを高め効率を上げるなど、人のサポートをする生命保険事務の仕事は、やりがいもありました。
その私が生命保険事務から鍼灸師に転職しようと思ったのは、家族がうつ病を患った事がきっかけでした。処方されていた薬が合わず躁とうつを何度も繰り返し、副作用で手の震えが止まらないことや精神不安定などの症状が続き、薬物治療の恐ろしさを感じていました。
そこで、薬以外の有効な治療がないか調べていたところ、鍼灸治療の可能性を知りました。薬物治療と同時に鍼灸師の治療を受けた方が、薬の量を半分まで減らすほど効果が出たということに衝撃を受けました。
家族が病気になった事、そして私自身も家族を見守るなかで、心が不安定になってしまった状態を経験し、健康な体と安定した心を保つことの大切さと難しさを実感しました。
鍼灸治療を学び、家族や同じように不調を抱えている人に自らの手を使って不調に合った治療を行い、改善の手助けをする事のできる鍼灸師という職業はとても魅力だと思い、生命保険事務から転職して鍼灸師になる事を決めました。
転職する前の生命保険事務とは異なる鍼灸師へ挑戦する事に不安はありましたが、現在はそれ以上に、鍼灸師の技術を習得する事への楽しみな気持ちが大きくなりました。
将来は身体が動く限り鍼灸師として働き続けたいので、まずは私自身が健康いられる様に、そして子どもから高齢者まで多くの患者様から信頼されるような鍼灸師を目指したいです。